

実践的ガイド
大規模スイッチの構築プロジェクトをに興味深いものにする為に、次の要求を満たすスイッチを構築してみましょう。
- 150-500光信号入力
- 150-500光信号出力
- 各入力/出力の取扱い容量: 10Gb/s-40Gb/s
- ノンブロッキング
- 遠隔操作で再構成可能
このクラスのスイッチを構築することを検討した場合、最初の結論の一つとしてソリューションは光スイッチでなければなりません。電気式スイッチの性能は着実に進歩していますが、このサイズとスピードで電気式スイッチの運転を継続する場合、別置きの電力供給装置が必要です。10Gb/sから40Gb/sの伝送量を取扱う場合、通信データに対する光スイッチの透過性は大きな利点になります。
光スイッチにこだわるのは光スイッチには多くのオプションがあるからです。過去10年にわたり、光スイッチに役立つ多くの光関連技術が提案されてきました。これらの多くは研究プロジェクトあるいは実製品として実際に構築されてきました。そのほとんどは単純な1x2スイッチ構築に非線形物質を使用します。1x2スイッチは光スイッチングの世界でのトランジスターと見なす事が出来ます。数学の2乗則から、nが大きくなると1xnのスイッチは枝分かれ状(カスケード状)になります。1x2スイッチは非常に低損失ですが、1xnカスケード実用的ではないでしょう。

このように、1x150から1x500の光スイッチを構築すことの出来る複数技術があります。これらの幾つかは十分小型、低損失であり、その技術により次のステップ、大型nxnスイッチを考えることが出来ます。ここで、数年前に半導体ASIC開発者に立ちはだかったのと同様の根本的な問題点にぶつかります。それはロジックではなく相互接続の部分です。一例として、150x150スイッチを1x150(及び150x1)パーツを使って製作してみましょう。我々には入力側各々に1x150、出力側各々に150x1、即ち300個の装置が必要です。加えて、全ての装置を接続するには150x150(22,500)本のファイバーが必要です。

500x500スイッチを同じ方法で構築する場合、250,000の相互接続が必要です。別のアプローチは小型のノンブロックのm x mスイッチを作りより大型にする為に3段階のネットワークを使うことです。しかしながら、非常に多くの相互接続を組合わせた三層カスケードスイッチ内での損失が大きく、実用レベルのスイッチを組み立てるのは難しいと思われます。
さいわいにも、我々は電気ではなく光領域で作業をしています。電線とは異なり、自由空間での光線はお互いがクロスした時にショートを起こすことはありません。光領域では問題となる相互接続を取除くことの出来る技術があります。MEMSです。MEMSはレンズ、鏡を使って、入力ファイバー表面から出力ファイバー表面へ光を非常に小さな損失で受け渡す等、自由空間での光操作の簡略化をより一層高めます。レンズと鏡はマイクロメーター単位で動作しミリメートル・スケールの大きさです。例えば光マイクロレンズは直径1mmに達しません。これらの装置の製造業者は、拡張性、一貫性を持つ半導体シリコンのバッチ処理の恩恵をこうむり、低コスト製造と高レベルの生産成果を上げることが出来ます。
単純な1x2MEMSスイッチは光線をある出力ポイントから他のポイントへ再送信する一個のポップアップミラーからなっています。これは旧来のクロスポイントスイッチアーキテクチャーが拡張されたもので、n個の入力行とn個の出力列マトリックスの対角線の交差部分にポップアップミラーを配したものです。鏡は非常に小さいので、通常のn x nスイッチは単一チップ上に相互配線なしに作り上げることが出来ます。しかしながら、この2次元アプローチには限界があります。これは簡単な計算で明らかになります。即ち、32x32では1024の鏡、500x500では250,000の鏡が必要です。仮に鏡1個の面積が1mmx1mmとしても、これは非常に大きなシリコン片となります。スイッチサイズが大きくなるにつれ、損失と信頼性の問題が大きく顕在化してきます。即ち、2次元MEMSは実用的なアプローチではありません。


もし我々が平面から脱け出して3次元MEMSの領域に入った場合、これらの問題は解決可能です。3次元MEMSのアーキテクチャーは、入力光線を2点ではなく多くの出力側の指定した1点に送り出すために、はるかに精密で柔軟性に富んだ鏡の位置コントロールに依存します。このように各々の鏡が一個で1x150あるいは1x500のスイッチと同等になることができます。先に述べたスイッチと同様のアーキテクチャーを採用する場合、500x500スイッチは250,000個ではなく、僅か1、000個の鏡で作ることができるのです。更に、500の入力スイッチ(鏡)は切手よりもはるかに小さな一片のシリコン上に組み立てられる事ができるのです。

3次元MEMSは大規模、高信頼性、低損失、ノンブロックスイッチを構築できる唯一の技術です。光線を入力側から出力側に跳ね返すのに鏡を使用すると言うのは簡単ですが、実際にそれを満足いくように実現するとなると非常に難しいものがあります。グリマーグラス社では技術を完璧なものに高め、高い賞賛を得ている現在出荷中の製品をものにする迄に6年の歳月と数千万ドル資金を投入しているのです。このプロジェクトは一人で出来る(DIY)プロジェクトではないのです。
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